
「花はなぜ美しいのか」
北見藤女子高等学校 学校長 水野 清哉
この夏、生徒の皆さんにとってはどのような夏休みだったのでしょうか。今年も連日暑い中、講習会や部活動のためにたくさんの生徒の皆さんが登校してきました。北見の夏らしからぬ湿気の多い酷暑の日々でしたが、皆さんにとって夏休みはどうでしたか。長い休みが終わって再び学校生活を始めるにあたり、今日からの貴重な毎日のために、自らの今を意識してみましょう。
さて、今年も夏の風物詩「甲子園」高校野球が連日のテレビで中継され、話題をよんでいます。わたしは皆さんに、夏休みが始まる前の全校集会で、「あなたにとっての甲子園は何ですか」と呼びかけました。覚えていますか・・・?連日、白球を追いかける高校球児のプレーは多くの感動を与えています。皆さんはその高校生と同じ時を生きる同世代です。是非、考えてみてください。なぜ甲子園の高校生たちは、多くの人々を感動させるのか。
女子校である本校は、花を愛でることをとても大切なことと考えています。春になり、これまで学校の敷地にはたくさんの花々が次々に咲きました。学園生活委員が、教室にその花を摘んで飾ってくれました。どの花も美しかった。花にはさまざまな種類があり個性豊かです。そして、どれも美しい。花はなぜ美しいのでしょうか。
花について多くの詩を詠んだ八木重吉についてお話しましょう。彼は29歳という若さで、愛する妻と幼いふたりの子どもを遺して結核で亡くなりました。もっと長く生きたかったでしょう。短い生涯の中で、彼は、どうして花が美しいかを考えたようです。花という題のたった2行の詩を紹介します。
花
花は なぜ美しいのか
ひとすじの気持ちで咲いているからだ 八木重吉
愛する妻と幼い子どもたちと、一年でも長く生きたいと願った詩人でした。病におかされながらも真剣に生きたその凝縮された短い人生で、彼は、わたしたちが日頃何気なく見ている野の花に対して、その美しさを深く感じとり、花の気持ちになってこの詩をよんだのです。
一生懸命生きる人の後ろ姿は美しいと思います。一途に生きる人の生き様には迫力があります。そしてそこには、感動があるのです。
皆さんの今、一人ひとりに与えられた二度とない時間。一日一日には大きな意味と価値があります。どうか高校生の今を、しっかりと大切に過ごしてください。
今日から再開する学校生活を始めるに当たって、花はなぜ美しいのかという詩の言葉の意味を噛みしめてスタートしてみてください。
皆さんの今は、将来、皆さんが果たす大きな使命に繋がっています。あなたにとっての甲子園は何ですか。今ははっきりと見えないものでも構いません。前向きに一歩を踏み出して高校生活を送って欲しいと思います。先生たちは皆さんを心から応援します。












